漢方などの免疫治療に対するわだかまりと病院治療


漢方薬は本当は効かないのではないか・・・

2013年10月、初めてトラちゃんを連れて行った病院で、猫はそもそも風邪を引きにくい動物なのでこの鼻水鼻血は猫エイズが発症した可能性が高い、と言われました。

ですが、猫のエイズは病気と共生することができるのでそれほど悲観する必要はないというお話も同時にいただいたのです。

まずは、鼻の症状を治療することに専念することだ。

鼻が良くなれば状態が改善する可能性がある。

そのために勧められたのは、抗生物質の投与に合わせ、週に1回インターフェロンの注射を打ち続けるという治療でした。

「トラちゃんに注射を打ちたくないなぁ・・・」と思い、自宅に帰ってから色々なサイトを探しているうちに、漢方による動物の治療があることを知ったのです。

猫の体に優しい治療は漢方しかない・・・

そう思ったのですが、私の中にはこの時まだ、正直いってわだかまりがあったのです。

「ガンの母を救うことが出来なかった・・・」

漢方治療に対してわだかまりがあった原因、それは私のトラウマでした。

2002年、大腸がんの母を亡くしました。

手術が終わった時、医師から「余命は3ヶ月から6ヶ月程度」と宣告されました。

私はこの時希望を捨てず立ち上がり、セカンドオピニオンとしてインターネットで免疫治療の先生を探し出し母に漢方と健康食品(βグルカン系の免疫賦活剤)を取らせることで治療を主導しました。

母もこの時、医師の雰囲気から自分の寿命を察していたようでした。

ですが私が立ち上がり、希望を持って治療をできると感じることが出来たようで、漢方、健食治療を快く受け入れてくれ、明るく治療をすることが出来ました。

ですが、母の癌の場合、1000人に5症例程度しかない悪質な癌腫ということもあり、免疫治療が追いつかない状態でした。

退院後一ヶ月足らずで、あっという間に肝臓に転移していました。

このスピードは尋常ではなく、相談をした時免疫治療の先生からも、「抗癌剤を投与する病院を探して下さい」と言われました。

免疫治療の先生が抗癌剤治療をすすめるとは一体どういうことなんだ?

と頭の中は疑問符だらけでした。免疫治療家が腫瘍縮小に自信を持てていないのでは・・・しかし、早過ぎるがんの進行を見ていると、その疑問を一旦自分の中で打ち消して決断を促そうとする先生の言葉に従わざるを得ませんでした。

埼玉にあるある有名な病院を見つけそこで抗癌剤治療を受けてとりあえず肝臓のがんを叩くということを決めました。

一方、抗癌剤の治療を続けながらも、免疫治療の方も効果が出始めていました。

とはいうものの、効果といっても腫瘍が縮小したというよりも、血液の数値という点ででした。

漢方、健食治療を続けた2ヶ月後、特殊な血液検査をしたところNK細胞の活性値が非常に高く、治療に希望が持てそうだという免疫治療の先生のお話でした。

ですが、手術時にリンパ腫にまで転移していた大腸のがんは次第に肝臓に転移し、その時は肝臓だけに集中して5FUという抗癌剤を集中投与する治療法で一時的に難を避けられたものの、最後は肺にまで転移してしまいました。

その時は既に抗癌剤が効かなくなってしまい、5FUからイリノテカンという抗癌剤を使える病院を選び転院させましたが、その抗癌剤治療をするまで体が持たず、非常に母を苦しませながら亡くしてしまったのです。

確かに免疫治療は血液の数値的には一定の効果は見られたものの、果たして実際の患者の腫瘍に対してどれだけの効果が期待できたのか。

いや、腫瘍を消す効果などなかったのではないか。

健康食品のホームページなどで「効果がある」と明言すると「薬事法の問題がある」とのことで誰もが明言を避けるような言い回しをしていたのが逆に怪しく感じていました。

薬事法の問題があるからでなくて、実際に腫瘍は消せないから言葉を濁しているんだ。

私はそう考えるようになってゆきました。

でも母を最後まで付きあわせた免疫治療のことを全否定する気にもなれず、この事実追求は自分の中でずっと蓋をし続けてきたことでした。

それでも試しにやってみるか

何かに頼りたい、何か信じられる治療を受けさせたいしかも体に負担がなく、食欲があって、楽しく過ごせるように、私の中では「余命を苦しませないように・・・」という思いがどこかにあったかもしれません。

私がゼッタに救い出してやる、と意気込んで免疫治療をさせていた母でしたが亡くなった時のショックは大きすぎて、私は自律神経がいかれてしまい、一時はまっすぐに歩けなくなり出社するのが難しい時期がありました。

もうそんな精神状態は味わいたくないと思っていたのです。

正直、自分の心を守りたい、傷つきたくない、という気持ちがありました。

ですので今回は、何が何でも自分が変えてやる、という思いは捨てていました。

その代わり、「できる限りのことをやってあげて、猫本人が家の中でのんびりストレスなく過ごせることを優先して考えよう」という思いが強かったです。

そして佐野先生に問い合わせ、漢方治療を始めたのです。

そして遂に、次のページから漢方と病院の治療の併用で治療を開始してゆきます。

しかし、始めの漢方の薬が郵送で自宅に届いた時、私はぶったまげたのです・・・