治療の踊り場に差し掛かった時に突き抜ける方法


病院でインターフェロンを勧められたが・・

昨年末はとても憂鬱な時間を過ごしました。

トラちゃんは漢方を飲ませ続けても、一向に良くなる気配がありませんでした。

先生の確信のある言葉を信じてやり続けるしかない、と思い、シリンジを使った給餌にもずいぶん慣れてきましたが、症状はどんどん悪化してゆくように見えました。

「これは好転反応に違いない」と自分を慰めてみましたが、左鼻からは腫れがひどくなって肉が盛り上がり、鼻の穴から白いものがはみ出ていました。

クシャミをすると鮮血をまき散らし、家中の壁を赤の水玉模様に仕上げてゆきます。

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2013/12/11

先生

よねまるです、
お世話になります。

ササスペの追加をお願いします。

あの後トラちゃんは鼻血が収まらず、
クシャミの度に大量の出血をするように
なってしまいました。

これは対処療法が必要だと判断し
病院に連れてゆきました。

その時インターフェロンの注射を進勧められたのですが
断りました。

ですが抗生物質ビブラマイシンを処方してもらい、
現在1日に1/4錠を2回飲ませています。

その結果鼻血は少し治まってきて
食欲と元気が復活してきました。

ササスペもよく飲んでくれるようになりました。

あんなに嫌がっていたササスペですが、
とくにあるスープに混ぜることで
1日10CCは簡単に飲ませられるようになりました。

ご指導いただいたおかげで
私の強制給餌もだいぶ上達してきました。

鼻づまりと鼻声が治りませんが
辛抱強く続けてゆこうと思っています。

ということで、こんな状況なのですが、
ササスペの追加注文をお願いします。

ありがとうございました。

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このメールの前に先生からは、タウロミンという薬の増加と、黄連解毒湯という漢方薬を勧められ追加していましが、この時はまだ効果が現れていませんでした。

家族で話し合った結果、しょうがないのでもう一度病院に行き、抗生物質をもらって年内はしのいでゆこう、ということになりました。

この病院はトラちゃんが迷い猫で我が家にやってきた当初からお世話になっている病院だったのですが、今回のエイズ判定から鼻血の治療を通じて感じていたのは、猫の症状や状態をしっかり見ようとしてくれない、ということでした。

あまりトラちゃん個別の状況を観察せずに、こういうステージだろうから、この薬とこの注射で、というように対応が事務的な感じがしていたのです。

上のメールの後、漢方佐野先生からも注意点として、

  • まずササスペ多めにしてしばらくこのままで様子を見てみましょう。このまま続けて治まることもありますので。
  • なにか腫瘍でもあるのか? そんな時の鼻血にも似ているような?
  • 最悪、腫瘍であっても、インターフェロンや抗がん剤は勧められても使わない方が良いと思います。漢方でよくなる方法がありますから。皆さん抗がん剤を始めた途端に亡くなっています。

ということでした。

この時私は、「トラちゃんは今、治療の踊り場に差し掛かっている」と思いました。

物事に目に見えた進展の現れない踊り場では、人間は誤った判断をしがちです。

なにか強いものに依存したい、という欲求が生まれます。

強い薬、目に見えて効果の有りそうなもの・・・

とても怖いです。

ですので、私は今一度心の中で念じました。

一つのことを信じてやってゆく。

ひょっとすると、リスクの高いことかもしれない。

だが、猫の免疫を抑制するような従来の治療方法はトラを不幸にするだけだ。

幸いまだ食欲はある。元気だ。

血をまき散らしたら、食べてまた作れるし、壁は濡れた布で拭けば良い。

私は思い直し、磨きがかかったシリンジでの給餌技術を駆使し1日に与るササスペの量を増やし、会社近くの漢方薬局でβグルカンの粉末を追加して餌に混ぜたりしてじっくり付き合ってやることにしました。

こんな調子で都度思い直しながら、前に進んでいるという感じでしたが、私たちにとって一つのこととは、トラが免疫を高めて食欲を落とさずに元気でいる状態を続けてあげることだ。

明らかな良い点として、「食欲が増してきている」という部分を信じて、やってゆこうと思いました。